2013年05月01日
新緑の京都 智積院
高校生の頃、趣味のひとつに京都市中のお寺めぐりがありました。
でも、趣味だったくせに知識もなく、お寺の見方もよく分かってなかったせいか、行ったはずなのに思い出せない‥(いろんなお寺の記憶が交ぜこぜになっている)。
そんな、記憶が飛んでしまった智積院を、先日、ふたたび真っさらな目と心で訪ねてきました。

・智積院・
大書院のお庭は、サツキの開花には少し早かったのですが、池からせりあがった築山の、日差しに映える新緑の清しいこと!

・利休好みの庭・
書院の縁の下に池が入り込んでいて、縁の下を覗いていると、深緑色の水に隠れていた鯉がうにょうにょと姿を現し、呼び寄せたつもりはないのに口を水面から突き出して集まってきました。

沙沙貴神社みたいに鯉の餌が売ってないので、いや〜あげたいけど、なんも無くてごめんごめん。

・舟形手水・
大書院は長谷川等伯と一門の国宝障壁画が見どころです。
ただし、今はレプリカ‥
本物は境内の収蔵館に展示されています。
収蔵館では繰り返し各絵の説明が流れていて、それを聞きながら四面に展示されている絵を見て、あらためて自分のペースで鑑賞。
「松に秋草図」「松に黄蜀葵(とろろあおい)図」など桃山時代らしい絢爛さは、絵の具が剥落していても迫力があります。
2つ3つ名前の判らない花があり、図鑑などで照らし合わせてもまだ判らず悩み中。まさか種の絶えた植物ではあるまいなぁ‥
収蔵館の絵のなかで特に心惹かれたのは、等伯の息子 長谷川久蔵の「桜図」。
胡粉で厚みをもたせて、ぽってりとした八重桜の愛らしい花のかたちを描き、その花々が金色の霞のなかに咲き誇る姿には、久蔵たちが生きていた闊達な時代の息吹が想われます。
隅々まで目を凝らしていると、桜の下に小さく、たんぽぽと菫が描かれているのに気づきました。
「桜図」は久蔵24歳の作ですが、そんな足元の小さな野の花にも目を向ける青年だったんだとわかり、若者らしい繊細さや、はかないものを愛する愁いを持った彼の横顔を見たような気がしました。
久蔵は「桜図」を完成させた2年後、26歳で夭折しています。

・境内の終い桜・
絵を通して、長谷川久蔵の人物を感じられただけでも、今回、智積院を訪ねた甲斐がありました。
そうそう、ぽっかり空いた記憶のひとコマを、やっと埋め合わせられたような、すっきりした気分です。

・着物でお庭を愛でる・
でも、趣味だったくせに知識もなく、お寺の見方もよく分かってなかったせいか、行ったはずなのに思い出せない‥(いろんなお寺の記憶が交ぜこぜになっている)。
そんな、記憶が飛んでしまった智積院を、先日、ふたたび真っさらな目と心で訪ねてきました。
・智積院・
大書院のお庭は、サツキの開花には少し早かったのですが、池からせりあがった築山の、日差しに映える新緑の清しいこと!
・利休好みの庭・
書院の縁の下に池が入り込んでいて、縁の下を覗いていると、深緑色の水に隠れていた鯉がうにょうにょと姿を現し、呼び寄せたつもりはないのに口を水面から突き出して集まってきました。
沙沙貴神社みたいに鯉の餌が売ってないので、いや〜あげたいけど、なんも無くてごめんごめん。
・舟形手水・
大書院は長谷川等伯と一門の国宝障壁画が見どころです。
ただし、今はレプリカ‥
本物は境内の収蔵館に展示されています。
収蔵館では繰り返し各絵の説明が流れていて、それを聞きながら四面に展示されている絵を見て、あらためて自分のペースで鑑賞。
「松に秋草図」「松に黄蜀葵(とろろあおい)図」など桃山時代らしい絢爛さは、絵の具が剥落していても迫力があります。
2つ3つ名前の判らない花があり、図鑑などで照らし合わせてもまだ判らず悩み中。まさか種の絶えた植物ではあるまいなぁ‥
収蔵館の絵のなかで特に心惹かれたのは、等伯の息子 長谷川久蔵の「桜図」。
胡粉で厚みをもたせて、ぽってりとした八重桜の愛らしい花のかたちを描き、その花々が金色の霞のなかに咲き誇る姿には、久蔵たちが生きていた闊達な時代の息吹が想われます。
隅々まで目を凝らしていると、桜の下に小さく、たんぽぽと菫が描かれているのに気づきました。
「桜図」は久蔵24歳の作ですが、そんな足元の小さな野の花にも目を向ける青年だったんだとわかり、若者らしい繊細さや、はかないものを愛する愁いを持った彼の横顔を見たような気がしました。
久蔵は「桜図」を完成させた2年後、26歳で夭折しています。
・境内の終い桜・
絵を通して、長谷川久蔵の人物を感じられただけでも、今回、智積院を訪ねた甲斐がありました。
そうそう、ぽっかり空いた記憶のひとコマを、やっと埋め合わせられたような、すっきりした気分です。
・着物でお庭を愛でる・
長谷川久蔵の「桜図」について少々思い違いだったことに気づきました。
桜の下に見つけた、たんぽぽと菫‥山楽や山雪の絵の中にもよく似たパターンで描かれていたのです。
どうやら、狩野派などの描写にそういう形式があるのでしょう。
勉強になりました。
桜の下に見つけた、たんぽぽと菫‥山楽や山雪の絵の中にもよく似たパターンで描かれていたのです。
どうやら、狩野派などの描写にそういう形式があるのでしょう。
勉強になりました。
Posted by sho惑星 at 07:17│Comments(4)
│かかる日のこと
この記事へのコメント
福山さん、おはようございます。京都の智積院も素晴らしい所ですね。私は見逃していました。京都国立博物館や三十三間堂など近くは何度も通っているのですが、ここは行っていません。由緒ある庭園や長谷川等伯一門の絵は国宝にもなっているのですね。真言宗智山派三千ヵ寺の総本山とのことですが、京都には多くの総本山があり、まだ行っていないところが多いのではないかとも思っています。若い頃、京都・奈良の魅力にひかれて、この近くに就職し、良く出かけていましたが、このころは寺院・神社見学も疎かになっています。
Posted by kobatoan at 2013年05月01日 08:22
私も子供の手が離れた頃、京都のお寺巡りをしていました。
京都市内のそれなりに名の通っている社寺は殆ど行ったかなぁと思います。
智積院は、参道に咲く桔梗が綺麗でした。
新緑の季節も京都とっても素敵です。。
高雄三尾の新護寺、高山寺、西明寺 新緑の頃に訪れたらとても気持ちよかったです。紅葉の頃は人ばかりですが、静かでいい場所です。
そして、哲学の道もいいですよ。。。
私もまた、まっさらな目で訪れてみましょうかね。。。
娘の、タイヤホイールカバーの事ですが、帰ってきてすぐに父親と通った道を探したら見つかりました。。♪ もう随分前の話です。。
ご心配ありがとうございます♪
今日の朝日新聞。。良かったです。
電車好きの私ですが、あんな風に、民家の脇を通り過ぎる風景大好きです。
膳所は特に、電車が似合いますね。。
京都市内のそれなりに名の通っている社寺は殆ど行ったかなぁと思います。
智積院は、参道に咲く桔梗が綺麗でした。
新緑の季節も京都とっても素敵です。。
高雄三尾の新護寺、高山寺、西明寺 新緑の頃に訪れたらとても気持ちよかったです。紅葉の頃は人ばかりですが、静かでいい場所です。
そして、哲学の道もいいですよ。。。
私もまた、まっさらな目で訪れてみましょうかね。。。
娘の、タイヤホイールカバーの事ですが、帰ってきてすぐに父親と通った道を探したら見つかりました。。♪ もう随分前の話です。。
ご心配ありがとうございます♪
今日の朝日新聞。。良かったです。
電車好きの私ですが、あんな風に、民家の脇を通り過ぎる風景大好きです。
膳所は特に、電車が似合いますね。。
Posted by yume at 2013年05月01日 09:10
to kobatoanさん
智積院、いまならサツキがきれいだと思います。
十代の頃にかなりのお寺巡りをしてしまい、一度見たし、なんて‥あらためて内部までの拝観をほとんどしなくなっていました。
でも、興味や関心が年齢とともに変わるので、また見るのもいいなあと思いました。
ところで、もりやまバラ ハーブ園のバラの紹介、拝見しました。
ホントにたくさんの品種があるんですね。
とってもいい香がしてきそうでした♪
智積院、いまならサツキがきれいだと思います。
十代の頃にかなりのお寺巡りをしてしまい、一度見たし、なんて‥あらためて内部までの拝観をほとんどしなくなっていました。
でも、興味や関心が年齢とともに変わるので、また見るのもいいなあと思いました。
ところで、もりやまバラ ハーブ園のバラの紹介、拝見しました。
ホントにたくさんの品種があるんですね。
とってもいい香がしてきそうでした♪
Posted by by sho惑星 at 2013年05月02日 22:49
to yumeさん
新緑の頃はどこも清しいですね。
京阪電車。通学通勤と、車窓から景色を見続けました。膳所の辺りは民家ぎりぎり走って‥
なんともいえない雰囲気ですね。
新緑の頃はどこも清しいですね。
京阪電車。通学通勤と、車窓から景色を見続けました。膳所の辺りは民家ぎりぎり走って‥
なんともいえない雰囲気ですね。
Posted by by sho惑星 at 2013年05月02日 23:16