2012年12月26日

好きですか? フェルメール&エル・グレコ

美術館展覧会三昧の連日を過ごしました。
しばらく美術館へ行けなかったので、会期末にばたばたと滑り込み観覧でした。


先ずは、神戸市立博物館のマウリッツハイス美術館展。

フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」。
一見した時は、静謐の中でこちらを見つめる少女に、なんだか怖いような気がしたのですが(眉毛がないから!?)、時間をかけて眺めるうち、少女らしい表情に変わっていきました。
肖像画とは異なり特定の人物としては描いてないとのこと。画家の心象を重ね描いた少女ゆえ、観る私たちも画家の眼差しになり、なにかしら心揺さぶられるのかもしれません。

レンブラント老齢の「自画像」。
彼の鼻は、歳をとってもやっぱり同じかたちなんやなー。若い頃の自画像を思い出し‥、レンブラントの自画像といえば→中村彝の自画像→そんなら、佐伯祐三の自画像や〜ん!
どんな時でも結局、佐伯さんに心がとんでいく私♪

いつの間にか連想の世界へ‥。
ハルスの「笑う少年」。
T.M.Revolutionの西川貴教くんそっくりー!

ルーベンスの「聖母被昇天(下絵)」。
アニメ「フランダースの犬」で主人公ネロが教会でこの本画を見て、小さい頃お母さんに連れられてきたことを思い出します。
解説では「フランダースの犬」でネロが母の面影を重ねた絵の下絵だと書かれていました。
これって日本人にしかピンとこないだろうけれど、「フランダースの犬」を愛する私としては、nice!な解説でした。

好きですか? フェルメール&エル・グレコ
・神戸元町・


次に、京都伊勢丹の美術館「えき」KYOTOのレオ・レオニ 絵本のしごと展。
小学2年生のこくごの教科書にも載っているので、親子連れなどで大混雑でした。
コラージュがうまく使われていて、大いに刺激を受けました。
物語もウィットに富んでいて、大人もたのしめる絵本の原画でした。

好きですか? フェルメール&エル・グレコ
・京都駅のX'masツリー2012・


そして、大阪の国立国際美術館のエル・グレコ展。
好き嫌いの分かれる作家ですが、今回、確固たる創作意図を持っているのが解り、観に行った甲斐がありました。

好きですか? フェルメール&エル・グレコ
・夜の国立国際美術館・

ところで、今回観た「無原罪のお宿り」が、1991年にスペインの教会で観た絵だったのか、ずーっと悩み中。
ある教会のカーテンで仕切られた片隅?一室?に大きな絵が一点。ガイドさんが、(カーテンの)向こうは礼拝堂なので、静かに観て下さい、と言ったのを覚えています。たくさんの観覧者が訪れていました。
絵は宗教画‥エル・グレコらしい絵やなあと思った記憶だけが。
そこがグレコゆかりのトレドだったかすら忘れました。
現在サンタ・クルス美術館寄託ですが、20年前は教会にあったのかな。どなたか、この私の悩み解決に一助下さいませ。

好きですか? フェルメール&エル・グレコ
・月夜の美術館・

長〜くなりましたが、神戸ではついでに期間限定の平清盛歴史館、ドラマ館にも寄りました。この話はまた今度。

好きですか? フェルメール&エル・グレコ
・中之島夕景・




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この記事へのコメント
福山さん、今晩は。師走に美術館・展覧会三昧とは羨ましいですね。神戸・大阪・京都と、一日かけて楽しんだようですね。
私自身は、美術品を見ても、素晴らしいなと感じる事は出来るのですが、福山さんのように、それを描いた画家の心理までは見る事が出来ません。
今回は、心の洗濯と勉強も出来、さらに進歩した姿で新年を迎えられそうですね。
Posted by kobatoan at 2012年12月27日 16:57
to kobatoanさん

さすがに三都市は無理でしたので、2日にわけて巡りました。

私も作家の心理までは読みとれません‥。
言い逃れみたいですが、アートは自由に感じればいい、と思っています。
作家が意図するもの探そうとするのもいいし、意図しない見方をしてもいいと思います。きっと作家は怒らないはず。
鑑賞者が百人いれば百の感想があるのが、アートのおもしろいところじゃないでしょうか。
アートは鑑賞者がいて、自由に科学変化します。
kobatoanさんが「すばらしい」と感じられたのも、アートの科学変化です。
芸術論は評論家にお任せして、私は先ず、すき、きらい、おもしろい、きもちわるい、たのしい、かなしい‥と、そのあとで、「それは何故?」と自分の心に問うてみます。
それで、どうしても気になる作品や作家に出会った時に、図録などをめくってみることにしています。
Posted by by sho惑星 at 2012年12月27日 23:21
福山さん、今日は。福山さんのコメントを読みながら、自分の芸術作品を見る時のかたさがとれるような気がします。
京都国立博物館、京都美術館、滋賀県立美術館などに行く時は、身を構えて行っていたように感じます。自分に観賞する能力がないのに、見る資格があるのかと疑問に感じながら見ていました。でも、素晴らしい作品は、自分でも感じ取ることはできます。
「鑑賞者が百人いれば百の感想があるのが、アートの面白い所」、「アートは自由に感じれば良い」のコメントで、やっと気楽に芸術作品を見ることが出来るような気がします。ありがとうございました。
Posted by kobatoan at 2012年12月28日 10:55
to kobatoan さん

アートにかかわらず、専門家が評価したものを、自分も理解できなければ、と私もつい焦ってしまいます。でも不可解なものもあるし、好きになれないものも。たまに、勉強やと思って鑑賞する時もあります‥。

無理に解ろうとすると、やっぱり面白くなくなります。その時の自分の心に、すとん、と入ってくるもの、そんなものに出会えると嬉しいし、元気が出ます。
kobatoanさんも、愉しいアート鑑賞をなさって下さいね。
Posted by by sho惑星 at 2012年12月29日 00:58
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福山聖子(ふくやましょうこ)
近江のまちや里山の佇まい、そこにある飾らない暮らしの風景を愛し、絵や文で綴っています。

朝日新聞滋賀版・毎木曜朝刊に滋賀県内各地の風景を連載中
朝日新聞紙面ビューアーにて、他府県からも滋賀版が閲覧可能

画文集『夕げの匂い オレンジ色の空』2010年刊行(完売 在庫なし)
第2集『水のしらべ 琵琶湖のうた』(ナカニシヤ出版)2016年刊行
第3集『いとしの やさしい町』(ナカニシヤ出版)2023年刊行

NSP ベストアルバム
「BesTimes 〜夕暮れ 時々 さびしそう」2020年発売
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Gallery&Cafe ぜん(彦根市)
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ギャラリーQ (大津市 丸屋町商店街内)
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……………………………………
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ギャラリーQ (大津市 丸屋町商店街内)
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