2013年12月21日

散紅葉 金剛輪寺

すっかり行楽シーズンの過ぎ去った湖東三山金剛輪寺。
冷たい雨に濡れそぼつ参道では、傘をさした三組ほどの参拝者とすれ違っただけで、深閑としておりました。

長い石段を登りながら見上げると、紅葉の枝にはまだ錆色の葉が散りきれずに残っていて、盛りの頃はさぞ鮮やかで華やいでいたろう、と想像されるのでした。

あれほど観光客で賑わったのが夢まぼろしのように、ぱたりとひと足が途絶え、いまや話題にも上らず見向きもされなくなった紅葉‥

いやいや‥そんなことはありません。
充分、わたしの目を愉しませてくれました。
それは、濡れ輝く石畳に、色を添える散紅葉。
散紅葉 金剛輪寺


散紅葉 金剛輪寺


散紅葉に導かれ、静寂に包まれた本堂でお参りしたあと、名勝のお庭へ。

真に自然体で、まるですぐ傍らで案内してくださっているような録音解説を聞いたあと、池泉回遊式庭園を巡りました。

散紅葉 金剛輪寺

名残の紅葉に替わって、寒桜の白い花が雪のよう。
すると、雨が降っているにもかかわらず、突如お庭の一隅に日が差したのです。

散紅葉 金剛輪寺


‥なにかある‥
そう思わずにはいられない“一隅を照らす”光明でした。


来年、一代住職に一度とも謂われている、秘仏本尊聖観世音菩薩さまのご開帳があります。
行基さまが彫られたという「生身の観音さま」は粗彫りということで、いま本堂で拝んでいる端正なお前立ちの観音さまとは随分お姿が違うのか、ぜひ確かめたくなりました。

「びわこ 湖東三山 秘仏本尊ご開帳」
として、2014年4月4日〜6月1日に、金剛輪寺、百済寺、西明寺で同時開催とのこと。
名神高速湖東三山スマートI.C開設記念の交通安全祈願を込めてのご開帳らしいですが、ETCを搭載していないわが愛車では、便利もなにも関係ないけれど‥

その後、「近江鉄道の駅舎と沿線」の絵画展会場、愛知川駅るーぶる愛知川へ寄ると、そこへ愛荘町長さんがお見えになりました。
文化芸術にも造詣の深い村西町長さんと、しばし歓談。

「今日は虹がきれいでした」と町長。
ああ、あの時の!

金剛輪寺のお庭の一隅を、ほんのひととき照らした日差し。
あの時に、麓では虹が出ていたんやなあ。

散紅葉 金剛輪寺

・金剛輪寺参道で見つけたハート石・



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この記事へのコメント
福山さん。おはようございます。散紅葉のブログ拝見。僕も季節外れの金剛輪寺に行ったことがあります。本堂の近くまで車であがれたんですね。しかし福山さんと同様、僕も麓から黒門を潜って、汗かきながら参道をゆっくり登りました。途中、参道の両側に並ぶお地蔵さんの多さにはびっくりしましたが、一体一体のお地蔵さんに番号が刻んであったので、まるで町石のようで、まだ本堂までだいぶあるんやなあ。ああもうすぐやなあ、なんて考えながら登ったのを思い出します。本堂に通じる石段下におられた「一番」と刻んだお地蔵さんを見てびっくり。同姓同名の方なのか、ご本人なのか、だいぶ以前の県知事で国会議員もされた方のお名前があり、わあ大発見かもって、一人で喜んでしまいました(笑)。本堂にお詣りしたあと、帰り道にお庭を拝見したとき、福山さんも書いておられた録音テープの案内を僕も聞きました。住職さんのお声なんでしょうね。お話しになる語り口が、ものすごく自然体で、まるでご住職が側に座っておられて、僕だけに話してくださってるような錯覚を
起こすほどでした
。テープの案内としてはちょっと長めの解説でしたが、全然気にならず、聞きほれてしまいました。皆さんにも絶対聞いてほしい理想的な案内。お薦めです。さて福山さんが数ヶ月前にブログで書いておられた長崎旅行のお話しですが、続きがありそうな書き方でしたので、続編を心待ちにしています。僕も長崎には行ったことがあるので、お忙しいとは思いますが、お暇なときで結構です。是非また読ませていただければ幸いです。かなり冷え込む今日この頃ですが、福山さんにはお身体大切になさってくださいね。ではまた。
Posted by ひげさん at 2013年12月24日 13:33
to.ひげさん

金剛輪寺、見応えありますね。
ホントに、あのお庭の解説はたのしかったです。
雨中でしたが、それはそれでよかったです。

ひとつだけ見たかった碑があったのですが、それがわかりませんでした‥
来年のご開帳の時にまた行ってみたいです。

長崎‥そうです、もう半年も経ってしまって(焦)
冬休みに仕上げないと‥
愉しみにしてくださってて、ありがとうございます♪

ひげさんも風邪に気をつけてくださいね。
Posted by by.sho惑星 at 2013年12月24日 14:56
私が、鳥取の湖山池で虹を見ていた日でしょうか?

福山さんのおかげで、金剛輪寺を訪れる機会に恵まれました。
両脇に石仏を見ながら、本堂へと歩く道はとても素敵でした。
福山さんより、早い時期に訪れていると思いましたが、私も綺麗な散紅葉を見ました。

お庭は時間の都合で行けませんでした。来年のご開帳の時には三山をめぐりたいと思います。
Posted by yume at 2013年12月25日 21:22
to.yumeさん

参道の石仏に風車が飾ってありましたか。
そんな光景の写真を見るのですが、わたしが行った日には風車がありませんでした。

石仏→風車→で連想するのは、なぜか笹沢左保の木枯し紋次郎の世界です‥
Posted by by.sho惑星 at 2013年12月26日 02:14
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福山聖子(ふくやましょうこ)
近江のまちや里山の佇まい、そこにある飾らない暮らしの風景を愛し、絵や文で綴っています。

朝日新聞滋賀版・毎木曜朝刊に滋賀県内各地の風景を連載中
朝日新聞紙面ビューアーにて、他府県からも滋賀版が閲覧可能

画文集『夕げの匂い オレンジ色の空』2010年刊行(完売 在庫なし)
第2集『水のしらべ 琵琶湖のうた』(ナカニシヤ出版)2016年刊行
第3集『いとしの やさしい町』(ナカニシヤ出版)2023年刊行

NSP ベストアルバム
「BesTimes 〜夕暮れ 時々 さびしそう」2020年発売
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